VeriSMとは

VeriSM(べリズム)とは、DX(Digital transformation:デジタルトランスフォーメーション)を成功させるためのサービスマネジメントの方針を体系的に整理した書籍です。

VeriSMのサブタイトルは「A Service Management Approach For Digital Age(デジタル時代のサービス管理アプローチ)」というものです。

ここでの「Digital Age(デジタル時代)」は、クラウド、IoT、AIなどの影響で、消費者が「モノを所有する」のではなく「モノを利用する」ようになり、業種に関わらず、「すべてのビジネスがサービス化する時代」を指しています。VeriSMは、そのような時代の到来を前提として語られています。例えば日本においても、自家用車の保有率は年々低下し、相対的にレンタカーやカーリース、カーシェアリングの市場が成長を見せています。このように、消費者のニーズが所有から利用へ変化するにつれ、ビジネスの体系も「販売」から「サービス」へと変化する必要があります。

そして、そのような時代に求められるのは、Value driven(価値主導)、Evolving(発展・展開する)、Responsive(敏感に反応する)、Integrated(統合、結合された)Service(サービス)、Management(マネジメント)であるとして、これらの6つの頭文字をとった「VeriSM」が書籍のタイトルとなりました。

VeriSMとITIL

ITIL は、ITサービスマネジメント(ITSM:IT Service Management)の成功事例をまとめた書籍群ですので、その内容はITサービスにおける管理手法に集中しています。

一方でVeriSMは、すべてのビジネスがサービス化した時代(Digital Age)におけるサービスマネジメントの方針を示した書籍です。

そのためVeriSMでは、ITサービスのマネジメントだけでなく、幅広いビジネスにおけるサービスマネジメントについて解説されています。

企業レベルでサービスマネジメントを行うためには、サービスの種類、業界の制約、組織の規模、文化、人の能力・スキルなどに応じて、様々な管理手法を組み合わせる必要があります。

この組み合わせの方針は「マネジメントメッシュ」と呼ばれ、VeriSMの中心的な要素として解説されています。

ITILは、SIAMやDevOps、アジャイル等とともに、マネジメントメッシュにおいて、状況に応じて組み合わせるべき管理手法の一つとして語られています。

VeriSMの管理モデル

VeriSMの管理モデルは「ガバナンス」「サービスマネジメントの原則」「マネジメントメッシュ」の3つで構成されています。

VeriSMの構成 VeriSMの構成

ガバナンス

組織を管理・統制する文化、価値観、およびポリシー。

サービスマネジメントの原則

ガバナンスに基づいて定義される、企業全体として厳守しなければならない原理原則。

セキュリティ方針や法的な制限、財務的なルール、知的所有権、就業規則など。

マネジメントメッシュ

ガバナンスとサービスマネジメントの原則は、企業として遵守するべきものを定義し、サービスが行える範囲を指定するものでした。

マネジメントメッシュはそれらを順守したうえで、どのようにサービスを管理していくかの方針を示すものです。

マネジメントメッシュでは、自社の「環境」「リソース」「テクノロジー」の3つの要素を検討し、どの「マネジメントプラクティス」をどのように組み合わせて管理するかを決定します。

VeriSMではそれぞれの検討項目として、以下のように例示されています。

環境:組織文化、競合他社、法律など

リソース: 人(配置、採用、人材育成、スキル等)、予算、資産、納期、ナレッジなど

テクノロジー:コンテナ、IoT、ビッグデータ、クラウドなど

そして以下のマネジメントプラクティスが書籍内で紹介されています。

ITIL、ISO、SIAM、DevOps、アジャイル、Lean、COBIT5、CMMI-SVC、Project & Portfolio Management

マネジメントプラクティスの実践を支援するFreshservice

Freshserviceは、「ITIL」準拠のITSMSとして、問い合わせ管理やIT資産管理など様々な機能を備えています。

また、サービスデスクのチケット・インシデント・変更履歴・IT資産などを、プロジェクトに紐付けて一元管理することで、プロジェクト管理機能とサービスデスク機能を連携させ、「DevOps」なプロジェクト管理を実現します。

さらに、ベンダー管理機能は、複数のベンダーを統合的に管理することを前提とした「SIAM」が示す管理手法にも対応できます。

さまざまなマネジメントプラクティスに対応したFreshserviceは、VeriSMに基づくサービスマネジメントの実現に大きく貢献します。

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