予防保守とは

予防保守とは、機械設備やITシステムの保守・点検作業を定期的に行うことで、トラブルの発生を未然に防ぐ活動を指します。

多くの場合、ITサービスの予防保守は、サービスデスク業務を担うシステム管理部門の役割とされています。

予防保守の目的

ダウンタイムの発生を防ぐ

予防保守の最大の目的は、トラブルの発生を防ぐことで、システムを利用することができない時間(ダウンタイム)を発生させないことにあります。

予期せぬシステムトラブルが発生した時に素早く対処することは重要ですが、事後対応では、どれだけ迅速に対応しても、復旧までにシステムを利用することができない時間が発生してしまいます。

トラブル発生の可能性を見つけ出し、ダウンタイムを回避するために、予防保守を実施し、トラブルが起こっていなくても定期的に点検する必要があるのです。

予算計画を立てる

予防保守によって、定期的に点検することで、大きなトラブルや故障の発生を防止できるため、多くの機器を耐用年数まで使用することができるようになります。これによって新規購入の時期がある程度定まります。

また、大きなトラブルや故障の発生を防止できれば、それに伴う想定外の修繕費用が掛からなくなります。

これらに加え、定期点検のタイミングでのメンテナンス費用も、継続するうちにある程度予想できるようになるため、保守に関わる予算の計画が立てやすくなります。

予防保守と予防保全・予知保全

予防保守とよく混同される単語に、予防保全と予知保全があります。

いずれも、ITサービスやシステムのトラブルの発生を防ぎ、ダウンタイムを回避するために行われる活動ですが、それぞれ考え方に違いがあります。

 

予防保守
予防保全
予知保全

保全のタイミング

定期点検で異常が発見されたとき

保全計画によって定めた時期

異常の兆候を検知したとき

保全のタイミング

・ダウンタイムをおおよそ回避できる

・保守の費用をおおよそ把握できる

・製品を無駄なく修理/交換できる

・ダウンタイムをおおよそ回避できる

・保守の費用を把握できる

・ダウンタイムをほぼ回避できる

・保守業務の回数を減らすことができる

・製品を無駄なく修理/交換できる

デメリット

・定期的に保守業務を行うため、工数がかかる

・修理/交換に無駄が生じることがある

・定期的に保守業務を行うため、工数がかかる

・保全業務が突発的に起こる

・システムの構築が難しい

予防保全

予防保全は、トラブルの発生を防ぐために、あらかじめ保全計画を立て、点検や修理、部品交換などのメンテナンスを定期的に行う保守方法です。

予防保守との違いは、保全計画を立て、順守する点にあります。

予防保全では、保全計画で定めた期間が経過した場合、異常が見られなくとも製品やシステムを交換・更新します。例えば予防保全では、自動車のタイヤがまだ利用できる状態であったとしても定められた保全計画に従って交換します。ところが予防保守の考えに従うのであれば、このタイヤは次の点検期間まで使用されます。

ITサービスやシステムのトラブルの発生を防ぐだけでなく、メンテナンスや交換のタイミングをあらかじめ決定するため、予算を事前に把握できるというメリットがあります。

予知保全

予知保全は、製品やシステムのパフォーマンスを常に監視することで、不具合が生じる兆候を事前に検知して、修理・交換する活動です。

予知保全の特徴は、パフォーマンスを常に監視する点にあります。

不具合の兆候を見逃すことがないシステムを構築できれば、予防保守よりも確実に、予防保全よりも安価にトラブルを防止できます。

保全業務が突発的に起こるため、予算計画が立てにくい点と、システムの構築が難しい点が課題といえます。

サービスデスクの業務としての予防保守

 

IT資産管理・構成管理との連携

予防保守の定期的な点検によって、不具合が発生する可能性があるとされたシステムや機器は、修理や更新をされることになります。

組織内のシステムは相互に影響し合っているものなので、修理や更新の際、影響範囲の確認は、注意して行う必要があります。

例えば、更新したソフトウェアがこれまで利用していたデバイスで動作しなくなることもありますし、不具合が見つかったメール配信システムを更新することで、連携していた顧客管理ツールから顧客情報を取得できなくなるということもありえます。

不具合を迅速に解消するには、修理・更新時の影響範囲を素早く確認できなければなりません。

そのためには、組織内の全てのシステムや機器を管理するIT資産管理 と、システムや機器の関係を可視化するCMDB(構成管理データベース)の構築、両者を備えたサービスデスクツールなどを活用する必要があります。

サービスデスクの問い合わせから不具合を検知

サービスデスク に寄せられる問い合わせの内容は、ユーザーが直面している不具合に限定されるので、実際に発生しているシステム異常の一部にすぎないことが多いです。

例えば、サービスデスクに最も多く寄せられる問い合わせの一つである「パスワードの再設定依頼」に関して、多くの場合は人的ミスによるパスワードの紛失が原因なので、サービスデスクの担当者は何らかのシステム不具合が原因とは考えません。

ところが、ソフトウェアの更新によって、「特定のモデルのPCでログイン情報を保持できなくなった」ことが原因で、自動ログインできなくなったユーザーが問い合わせを行っていた、という場合があります。

この場合、ユーザーが利用しているデバイスとソフトウェアを把握しており、ユーザーの属性による問い合わせの偏りを分析していれば、問い合わせの原因となっているシステム異常を発見できる可能性があります。

サービスデスクに日常的に集まる問い合わせでも、ユーザーの属性や問い合わせ内容ごとに分類し傾向を探ることで、システムの不具合を発見できる可能性があるのです。

保守業務を強化するためにも、優れた問い合わせ管理機能やIT資産管理機能を備えたサービスデスクツールの導入が必要です。

予防保守を効率化するサービスデスクツールFreshservice

IT資産管理とCMDB(構成管理データベース)で変更範囲を正確に把握

Freshserviceは、IT資産管理と連携可能なCMDBを備えたサービスデスクツールです。

ソフトウェア・ハードウェア・ライセンス すべてのIT資産を一元管理します。

ディスカバリ機能が組織内のすべてのIT資産をスキャンすることで、組織内のあらゆる資産の種類、バージョン、更新履歴など、最新の情報を自動で取得します。

そして、CMDBによって関連するIT資産を可視化し、修理・更新の際には影響範囲を素早く確認することができます。

IT資産管理機能 IT資産管理機能

豊富なサービスデスク機能

Freshserviceは、ITIL におけるサービスデスクが供給するプロセスを標準化する、ITIL準拠のツールです。

サービスデスクの運用において重要な「インシデント管理」「資産管理 」「問題管理」「変更管理」「プロジェクト管理 」などに対応しています。

インシデントやサービス要求などの問い合わせは、チケットとして一元管理。問い合わせユーザーの属性や内容によってタグ付けをして分類ができます。

また、優秀なレポート機能を備えており、設定した期間やタグの問い合わせに関するレポートを自動で作成し、問い合わせ傾向の分析をサポートします。

対応履歴の分析機能 対応履歴の分析機能