プロジェクト・ポートフォリオマネジメント(PPM:Project Portfolio Management)とは、組織内の複数のプロジェクトを統合的にとらえて、それぞれを評価することで、人員や予算などのリソースを最適な状態に分配する管理手法です。
企業や組織では、常時複数のプロジェクトやポートフォリオが進行しています。
組織が保有するリソースには限りがあるため、全てのプロジェクトに十分な資金や人材を投入することは難しいです。
そこで、組織の長期的目標に対する影響や投資規模、リスク、進捗状況などを基準に個々のプロジェクトを評価し、人員や予算配分における優先順位を付け、組織全体の利益を最大化することがPPMの役割です。
プロジェクト・ポートフォリオマネジメントでは、「ポートフォリオ」「プログラム」「プロジェクト」は似た意味で使用されます。
プロジェクト管理 の世界標準として知られるPMBOK (Project Management Body of Knowledge)ではそれぞれ以下のように定義されています。
プロジェクト:独自の製品・サービスを創造するために実施する有期性のある業務
プログラム:個々にプロジェクトをマネジメントすることでは得られない価値を実現するために、調和のとれた方法でマネジメントされる相互に関連するプロジェクトのグループ
ポートフォリオ:戦略的な目標を達成するためにグループとしてマネジメントされるプロジェクト、プログラム、サブポートフォリオ、および業務
ポートフォリオを山脈とすれば、プログラムはそれを構成する山、プロジェクトは山の中の森となり、森の中の木々がタスクといえます。
ITサービスマネジメント(ITSM) の国際的なガイドラインであるITIL 4 では、プロジェクトを短い開発期間単位に分けて、柔軟にソフトウェア開発を進めることで、技術や社会の変化に対応する、アジャイル開発が重要視されています。
柔軟な対応が求められるアジャイル開発において、人材や予算の配分を変更せざるを得なくなることは少なくありません。組織全体を俯瞰したプロジェクト管理を行うことができるPPMはITSMにおいても大きな効果を発揮します。
また、例えばソフトウェア開発において、システムの設計段階ではエンジニアのタスクが多い、というようにプロジェクトの特定の段階で、特定の社員に業務が偏ることは珍しくありません。
複数のプロジェクトで、特定の社員に業務が偏るタイミングが重なってしまうと、どちらのプロジェクトの進行にも悪影響が出ます。それぞれのプロジェクトの進行と人材の配分を調整することで、過度なタスクの集中を避けることもできます。
PPMでは、各プロジェクトを評価し、その評価に基づいて組織のリソースを分配します。
合理的にリソースを分配するためには、適切な指標を使い客観的に各プロジェクトを分析し評価しなければなりません。
評価指標は以下の4つの基準に分類されます。
リソース評価:人件費、設備投資など
財務評価:プロジェクトの現在価値や予測される利益など
客観的評価:市場規模、市場成長率、開発成功確率、など
戦略的評価:競争優位性、自社ブランドへの影響など
全ての指標を盛り込んでしまうと、情報が多すぎて判断が難しくなるため、ある程度重要視する指標を決定する必要があります。
自社で重視する指標を定め、客観的に評価できるシステムを構築したうえで、適切なデータを集めることがPPMを行う際の課題です。
Freshserviceは、チームメンバー全員のタスクスケジュールと進捗状況をリアルタイムで更新します。
カンバン方式 とガントチャート方式の双方に対応したタスク管理表で、メンバー全員のスケジュールを横断的に表示して共有。管理者はカンバン方式とガントチャートを切り替えながらプロジェクトの全体の状況を確認し、担当者の変更等を容易に行うことができます。
プロジェクトアナリティクス機能では、組織内のプロジェクト全体の進捗率や、プロジェクト・メンバーごとの達成率を計測しレポートを自動生成します。
ここではタスクの種類ごとに進捗を把握したり(例:プログラミング系タスクは順調に進んでいるがインフラ整備系のタスクが遅れている)、チーム別に完了したタスク数の日別推移を確認して、どのプロジェクトのどのタスクがボトルネックになっているかを確認したりすることができます。
アナリティクス機能はPPMにおけるプロジェクトの評価指標の内、特にリソース評価に貢献する機能です。
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