オンボーディングの語源は、「船・飛行機に乗っている状態」を表す英語の「on board」です。
もともとは、船・飛行機に新しく乗ったクルーや乗客に対して、必要な教育・サポートを行うことで、船内での活動に慣れてもらうプロセスを指すものです。
そこから転じた人事用語としてのオンボーディングは、企業が新規に採用した人材を職場に配置し、戦力化させるまでのサポート活動を指すようになりました。
新規人材が活躍するために、新規採用者本人だけでなく、職場全体を対象として活動を継続して行うことがオンボーディングの特徴です。
また近年では、SaaS業界において、サービスの満足度を高め、継続的な利用を促すために行うユーザーへの支援活動を指す単語として使用されています。
この場合は人事用語としてのオンボーディングと区別して、ユーザーオンボーディングといわれることもあります。
オンボーディングが注目されている背景には、まず「新入社員の早期離職率」があります。
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況) 」では、新規高卒就職者の約4割、新規大卒就職者の約3割が、就職後3年以内に離職していると発表されています。
これまで多くの企業が、新規人材の受け入れプロセスとして、一括採用した新卒社員を対象に、入社後研修で集中的にオリエンテーションを行ってきました。
このように入社後の短期間しか研修・フォローがないことが、早期離職の原因の一つと考えられ、継続的なサポートを行う必要性が問われるようになってきました。
新卒社員の一括研修には力を入れている企業でも、中途採用者のサポートが不十分なことは珍しくありません。
その結果、高いコストをかけて、即戦力となる人材を採用したものの、職場になかなか馴染めず、期待したパフォーマンスが発揮されるまでに時間がかかってしまうことがあります。
このような背景から、中途採用者への継続的なサポート強化が求められています。
新規に採用された人材には、配属する部署や役職に応じて、データのアクセス権やソフトウェア、アプリケーションのアカウントが付与されます。
近年ではSaaSアプリケーションの利用も増えているので、一人の社員に必要なアカウントや登録方法を案内するだけでも時間がかかります。さらに、一括採用を行った後などは、各部門で複数の新入社員に対応しなければなりません。
人材を受け入れる側の社員が、こうした基本的な受け入れ作業ではなく、より深いコミュニケーションや業務指導に時間を割けるよう、ツールを導入するなどして、アカウント管理を効率化するための工夫が必要です。
新規人材の受け入れをメインで担当するのは、現場の上司や先輩です。
しかし、日本の中間管理職はプレイングマネージャーであることが多く、その他の現場の先輩社員も多忙であるため、どうしても新規人材への対応が片手間になってしまいます。
そこで、配布する社内ツールの使い方など、基礎的な業務に関するサポートはサービスデスクで対応する、新人がつまずきやすい業務の解決策をまとめたナレッジベース を作成するなど、受け入れ現場の人手不足を補う仕組みが必要となるのです。
Freshserviceは、オーケストレーション 機能により、新入社員が入社後すぐに必要なアカウントやツールの割り当てを自動で行います。
新入社員の配属先や役割に応じて、割り当てるアプリケーションを自動で選択し、各アプリケーションにおけるアカウントの追加、アクセス権の設定を行います。
例えば、営業職の社員が入社した場合にはZoomとカレンダーを、エンジニアが入社した場合にはそれらに加えてAWSとSlackのログイン権限を自動で付与する、といった処理が可能です。
結果としてアカウント発行・付与の手間は大幅に削減され、オンボーディングのためにより重要なコミュニケーションの時間を確保することができるようになります。
Freshserviceなら、すべての社員が利用できる包括的なナレッジベースを構築することができます。
更新性の高いリッチテキストエディタを備えており、画像や動画を用いた充実したナレッジベースを、誰でも簡単に編集可能です。
新入社員はこのナレッジベースを参照して、業務の疑問点を解消することができますし、受け入れ先の上司や先輩社員がレクチャーに使う時間も削減されます。
Freshserviceは、新卒社員の一括採用時など、オンボーディングを行う人数が多い時の、登録管理の手間を大幅に削減します。
オンボーディングに参加するすべての社員の情報をアップロードするだけで、自動的にオンボーディングリクエストを作成し、事前に設定した手順に沿って、参加する社員と対応チームにタスクの通知を行います。
新卒の入社時期などはオンボーディング担当チームにとって繁忙期となりがちですが、この機能を活用すれば既存の業務を大幅に効率化することが可能です。
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