MSPの課題
① クライアントの管理
MSPは複数の企業にMSPサービスを提供するため、企業ごとに契約内容や担当者を記録し、対応窓口を作成し、対応履歴も保管する必要があります。
そのためMSPでは、自社のサービスを充実させるとともに、クライアントとなる企業の管理が重要になります。
② SLAの管理
MSPがサービスを提供する際、管理するIT資産の範囲や稼働率などのサービスレベルと、それに見合ったコストについて、あらかじめクライアントと合意のもとに決定します。
このMSPサービスレベル合意 (SLA:Service Level Agreement)はクライアントごとに個別に締結するため、クライアントが増えるたびに、管理するSLAも増えていきます。
また、SLAは契約時に一度合意したきり、変化しないというものではありません。サービス期間が長期化すれば、管理するSLAの数や更新頻度も増えていきます。
加えて、実際に提供しているMSPサービスレベルがSLAに違反していないか、SLAから逸脱していないかを確認する必要もあります。
多数のSLAを管理・更新し、違反や逸脱を監視することは、MSPにとって大きな負担となります。
③クライアントのIT資産管理
MSPがクライアントのIT資産を管理する場合、クライアントごとにハードウェア、ソフトウェア、ライセンスなどすべてのIT資産を登録する必要があります。
さらに、どのハードウェアにどのソフトウェアがインストールされ、どのようなライセンス状態で利用されているかといった、それぞれの関連性まで把握しなければなりません。
1つの企業のIT資産管理 を行うだけでも、手動では困難な作業になります。複数のクライアントのIT資産を管理するMSPには、優れたIT資産管理ツールの導入が必要不可欠です。