カンバン方式とは

カンバン方式は、もともとはトヨタ生産方式の中心であるジャストインタイム生産(必要なものを、必要な時に、必要な量だけ生産するシステム)を実現するために考案された生産管理方式です。トヨタでは1960年代から導入され、世界中のメーカーに大きな衝撃を与えた画期的な手法でした。

カンバン方式では、「カンバン」といわれる作業指図票を用いて、生産ラインの各工程が連絡を取り合います。

生産ラインでは、前工程で生産した部品を後工程に送ります。この時、部品とともに生産した内容を書いたカンバンを送ることで、カンバンは納品書として機能します。後工程で受け取った部品を消費した際、消費した内容を書いたカンバンを前工程に戻します。消費した量が記載されたカンバンはここでは発注書として機能します。

これよって、後工程で消費した分の部品だけを前工程が生産することになり、在庫を抱える量を最低限に抑えることができます。

製品の生産ラインを効率化するために生まれたカンバン方式は、今では製造業の現場だけでなく、多くの業界に受け入れられ、システム開発におけるタスク管理 やプロジェクト管理 にも利用されています。

プロジェクト管理・タスク管理におけるカンバン方式のメリット

チームの状況を一目で確認できる

プロジェクト管理・タスク管理では、それぞれのタスクをカンバンにみたてたカードで管理します。タスクの進行状況を「作業前」「作業中」「完了済み」などに区分して、縦に区切ってカードを配置します。

チーム全員のタスクを表示させることでプロジェクト全体の進行を確認出来ますし、個人のタスクのみを表示させることで、担当者レベルでの進捗状況を確認することも可能です。

カンバン方式のタスク管理

3Mの削減

カンバン方式は、「3M」といわれるプロジェクトの「ムリ」「ムダ」「ムラ」を削減します。

それぞれ具体的には、以下のような状態を指します。

ムリ:個人の抱える業務量が処理能力を超え、過度な負荷がかかっている状態

ムダ:チーム内で業務が重複して行われている状態、処理能力大きく下回る量の業務しか配分されず手が空いてしまっているメンバーがいる状態

ムラ:メンバーごとに業務量にばらつきがあり、ムリ・ムダになっている状態

カンバン方式で、チーム全体のタスクを一覧できるようになると、メンバーそれぞれが抱えているタスクの量が明確になり、作業の再配分・調整をしやすくなります。

ITサービスマネジメント(ITSM)におけるカンバン方式

ITサービスマネジメント(ITSM) の国際的なガイドラインであるITIL 4 では、プロジェクトを短い開発期間単位に分けて、柔軟にソフトウェア開発を進めることで、技術や社会の変化に対応する、アジャイル開発が重要視されています。

カンバン(タスクカード)によるタスクの管理は、タスクごとの優先度や担当者の変更が行いやすく、柔軟な対応が求められるアジャイル開発において運用しやすいため、多くのITSMSでカンバン方式が採用され、プロジェクト管理、変更管理 、リリース管理 、インシデント管理 、問題管理 などで利用されています。

ソフトウェア開発において、システムの設計段階ではエンジニアのタスクが多い、というようにプロジェクトの特定の段階で、特定の社員に業務が偏ることは珍しくありません。

また多くの企業で、ITサービスのリリースや要求実現のためのプロジェクトが複数並行して進行しています。

複数のプロジェクトで、特定の社員に業務が偏るタイミングが重なってしまうと、どちらのプロジェクトの進行にも悪影響が出ます。カンバン方式によるタスク管理で、個人の抱えるタスク量を把握することで、それぞれのプロジェクトの進行を調整し、過度なタスクの集中を避けることができます。

また、多くのサービスデスクツールで用いられているチケットシステムによる問い合わせ管理は、カンバン方式と非常に親和性が高いものです。

問い合わせ内容を入力したチケットを、そのままカンバン(タスクカード)としても利用できるので、対応業務の分配、チーム全体のタスク状況の管理をスムーズに行えます。

プロジェクト管理・タスク管理におけるカンバン方式の課題

全体の流れは確認できない

カンバン方式で一覧できるのは、あくまで、「ある時点」でのチームメンバーが抱えているタスクの状況です。

プロジェクトが今後どのように進行していくかということは確認することができないのです。

カンバンをもとに、現状で手が空いているメンバーを、タスクを多く抱えているメンバーのヘルプにあてるということができるのがカンバン方式の利点ですが、この時、ヘルプに入ったメンバーは前工程の完了待ち状態で、一時的にタスクを抱えていないだけだったということが起こりえます。

カレンダーやガントチャートなどを併用することで、時間軸を含めてタスクの量を確認できるようにしておきましょう。

各タスクの負荷がわからない

カンバン(タスクカード)では、タスクの数や進行状況を確認することはできますが、タスク個別の工数や重要度は判別できないので、全てのタスクが等価に見えてしまいます。

カンバンを1つしか抱えていないメンバーの手が空いているように見えても、実はそのタスクが多大な工数がかかる重大なものである可能性もあります。

カンバンの枚数だけでは、メンバーの状況をすべて正確に把握できるわけではないと理解したうえで、カンバンにラベリングをして工数や重要度を表示できるようにするといった工夫が必要です。

カンバン方式によるプロジェクト管理に対応したITSMS Freshservice

必要に応じてカンバン方式とガントチャートを切り替え可能

Freshserviceは、チームメンバー全員のタスクスケジュールと進捗状況をリアルタイムで更新します。

カンバン方式とガントチャート方式の双方に対応したタスク管理表で、メンバー全員のスケジュールを横断的に表示して共有。管理者はカンバン方式とガントチャートを切り替えながらプロジェクトの状況を確認し、担当者の変更等を容易に行うことができます。

期日に近づいているタスクの進捗状況が低い場合にはアラートを出すといった設定も可能です。

ガントチャートとカンバン方式を切り替え可能

タスクのラベリング

Freshserviceは、タスクに優先度や作業工数などを登録し管理画面に表示させることができます。

カンバンの数に加えてこれらの要素からも業務量を推し量ることができるため、「各タスクの負荷がわかりにくい」というカンバン方式特有の課題を解消し、チームメンバーへのバランスのよいタスク分配を実現します。

タスクにラベリングして詳細を把握

チケット管理に対応した優れたサービスデスクツール

Freshserviceは、サービスデスクへのすべての問い合わせをチケットとして一元管理します。

登録したチケットは、そのままタスクとして登録できるので、問い合わせ対応に付随するタスクを新たにツールに登録し直す手間なく、カンバン方式で管理を行えます。

チケット管理システムでタスクを登録