ITSMの簡素化

ITSM(ITサービスマネジメント)は、ITサービスのライフサイクルの設計、作成、配信、サポート、および管理に関連するすべての活動を指します。

ところで、ITサービスとは何なのでしょうか?例えば、職場で使用するあらゆるテクノロジーを想像してみてください。ノートパソコン、それにインストールされているアプリケーション、チーム全体で共有しているプリンター、15回目以降のログイン時にパスワードのリセットを要求するオプションなどがこれにあたります。これらはすべて、ITチームが提供するサービスであり、総称して「ITサービス」と呼ばれます。

ITユーザー(従業員)間のITSMにおける最も一般的な認識は「ITサポート」ですが、ITSMは日々の問題を解決するだけではありません。ITチームは、これらのサービスのエンドツーエンド管理を担当します。そしてFreshserviceなどのITSMソフトウェアを使用することで、これらサービスを効果的に管理することができるのです。

基本的な紹介はここまでにして、ITSMとビジネスの関係をまとめた、Stephen Mann氏による動画をご覧ください。

 

ITSMが重要である理由

ITSMが重要な理由は複数あります。ITSMを導入することで構造化された提供と文書化によるプロセスの規則化が可能です。ITSMの導入は、予測可能なIT組織を構築するため、コストの削減にも役立ちます。ITSMの導入は、意思決定に役立つ実用的なITのインサイトをビジネスにもたらすため、ビジネス上の利点があるのです。

ITSMプロセスの利点

ITSMプロセスを導入するメリットは、IT固有のものからビジネスレベルのものまでさまざまです:

IT固有のITSMの利点 ビジネスレベルのITSMの利点
役割と責任の定義によるITの効率性と生産性の向上 ビジネスニーズのより良い理解
ベストプラクティスに基づくプロセスの導入 ITサービスの可用性レベルを向上させ、ビジネスの生産性を向上
規制およびコンプライアンスの課題に対処するためのサポートの強化 価値とコスト効率の向上
ITサービスの可視性と理解の向上 期待のより効果的な管理
インシデントライフサイクルの短縮 インシデントがビジネスに与える影響の低減
ITSMの利点については、こちらをご覧ください。

 

ビジネスにITSMが必要な理由

もしあなたの会社に一定数以上の従業員がいて、その中の一人が「IT担当者」に指名されている場合、それはすでに小規模なITSMを行っているということうぃ意味します。しかし、ビジネスの成長に伴い、ITSM投資から最大の利益を得るためには、より成熟したプロセスを導入する必要が生じる場合があります。

ITSMの最も一般的な利点は次のとおりです。詳細なチュートリアルについては動画をご覧ください:

  • ITコストを削減
  • サービスの質を向上
  • 顧客満足度の向上
  • ガバナンスの改善とリスクの軽減
  • 競争優位性を高める
  • 柔軟性を向上
  • 新しいITサービスの機敏さを向上

 

 

ITSMを使用したコスト削減

主な利点の一つであるコスト削減についてご説明しましょう。ITサービスマネジメントは、次の方法でこれを支援します。

  • IT効率の向上
  • ビジネス効率の向上
  • ITの無駄を削減

それぞれについて詳しくご紹介します。

 

ITの効率を高めるため、ITサービスマネジメントでは次を支援します:

プロセスワークフロー

テクノロジー対応のプロセスワークフローを提供し、手動プロセスを排除することで、すべてのチーム間のコラボレーションを改善します。

限られたITスタッフ人員の効率的な活用

より戦略的な作業のための時間を確保するため、管理者や待機者、さらには障害除去活動の数さえも削減します。

サービスベースのインシデント管理

ITの問題によって生じるビジネスへの影響に基づいて、解決時間の優先順位を設定し、カスタマイズします。

時間と資金の節約

効果的な問題管理とナレッジ管理は、繰り返し発生する問題・解決までの時間・エンドユーザーとビジネス全体への影響を減らすのに役立ちます。

インサイトに富んだレポート

レポート生成プロセスを自動化し、レポート作成におけるコストを削減します。

ビジネスの効率を高めるために、ITサービスマネジメントでは次のことが可能です:

ダウンタイムの削減

インシデント管理、問題管理、可用性管理を支援します。

問題が発生する前に防止

問題管理と能力管理により、ビジネスに影響を与える深刻な問題を回避できます。

企業が重大なIT問題から迅速に立ち直る支援

重大な問題の悪影響は、大規模なインシデント管理とITサービスの継続性によって軽減できます。

最後に、ITサービスマネジメントで無駄を削減するために次のことができます:

無駄の削減

無駄を減らし作業の重複を避けることで、時間・労力・不必要なコストを節約できます。

支出の最適化

資産・構成・能力管理を通じて、新しいIT支出が不可欠であることを確認します。

重複または使われていない資産のコストを排除

効果的な資産管理は、アプリケーション・ハードウェア・ホスティング、およびそれらのサポートにおける重複回避に役立ちます。

十分に活用されていない資産の再配置を促進

コンピューターやその他デバイス、およびインストールされている個人の生産性ソフトウェアは効果的にトラッキングして使用率の低下を防ぐ必要があります。

変更に関連する無駄または矛盾ベースの浪費防止

つまりは作業の重複である「やり直し」ミスのコストを回避します。

ITSMプロセスの導入方法

適切なITSMプロセスを選択するには、特にビジネスに必要なものを調べる必要があります。たとえば、小規模なITサポートチームがいつも同じような問題に対処している場合、根本的な原因を特定して、それを完全に解決する方が理にかなっています。例として、ストレージ容量の問題をみてみましょう。ハードドライブが限界に達するたびに、ファイルやアプリケーションを削除し続けるという解決方法があるとします。この場合、より大きな容量を持つハードドライブをインストールすることがより長期的な解決策だといえます。

これはITSM用語でいう、単なるインシデント管理から問題管理への移行を意味します。上記の例では、ストレージスペースが不足しているコンピューターがインシデントであり、ハードドライブの容量不足が根本的な問題です。もちろん、大規模な組織のITサポートチームは通常、はるかに複雑なインシデントを処理し、問題を専任の問題管理チームへと送信します。 

ITSMプロセスには、導入するITSMツールだけでなく、文化的な変化も必要となります。顧客(エンドユーザー)は、ITを単なる組織内の部門としてではなく、サービスプロバイダーとして捉える必要があります。

ITSMプロセスは、次の点に留意して導入しましょう。

ITSMベストプラクティス

ITSMプロセスはITILのさまざまな主要カテゴリにグループ化されていますが、他のフレームワークでも同じプロセスが異なる名前で使用されています。カテゴリは大きく分けて次のとおりです:

各カテゴリには、異なるプロセスを管理するベストプラクティスがあります。これらのベストプラクティスは、ITSMベストプラクティスの究極ガイドを参照してください。

 

上位のITSMメトリック

「測定なしでの管理は不可能」とはいえ、すべてを測定できることは素晴らしいことですが、ITサポート組織を管理するには、適切なITSMメトリックを測定する必要があります。誤ったITSMメトリックを測定すると、IT組織の管理が不適切になり、リソースの無駄な消費につながります。測定すべきITSMの主要メトリックは次のとおりです。

ITSMツールとは?

ITSMツールとは、ITサービスの提供に使用されるソフトウェアのことです。独立型のソフトウェアである場合もあれば、さまざまな機能を実行する複数のアプリで構成されるアプリケーションスイートであることもあります。ITSMツールは、インシデント管理・サービスリクエストの処理・問題管理・変更管理などの複数の機能を実行できます。ITSMツールは多くの場合、CMDBで構成されています。

ITILにおいて、サービスデスクはITSMの主要な機能です。ITSMツールとしてのサービスデスクは、顧客(社内外を問わず)とサービスプロバイダー間の単一窓口(SPOC)として機能します。サービスデスクは、サービスを継続的にモニタリングし、ダウンタイムが発生した場合にサポートを提供します。サービスデスクは通常、インシデント・サービスリクエスト・第三者との契約・ソフトウェアライセンスなどを処理します。

ITSMツールの選択方法

ITSMツールの選択は、IT部門だけの決定ではなく、組織全体に影響を与えます。ITSMツールの選択には複数の利害関係者が発生するため、組織に適したITSMツールを選択することが重要です。

新しいITSMツールを選択する際には、既存のITSMプロセスを念頭に置いて、必要な機能を決定してください。これにより、価格だけでなく、組織にとっての実際の価値に基づいてITSMツールを選択できるようになります。

ITSMツールを選択する前に、次の事項を確認しましょう。

これらの質問に回答することで、ITSMツールを選択するのに十分な検索範囲を絞り込みます。ITSMツールの選択に関する詳細については、弊社ブログをご覧ください。

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ITSMとITILの比較

ITSMとITILの違いを理解することは重要です。ITILは最も一般的に使用されるITSMフレームワークですが、ITSMを実行する方法の1つにすぎません。 

Stephen氏は「違いを説明する最も簡単な方法は、金魚と魚の違いを考えることです。金魚は魚ですが、すべての魚が金魚ではありません。ITILはITSMですが、すべてのITSMがITILというわけではないのです。」 

したがって、ITSMを採用している企業であってもITILを使用しているわけではない可能性があるのです。名の知れているITSMフレームワークまたは標準を採用していない可能性もあれば、以下を採用している可能性もあります。

もちろん、COBIT+ITILというように、複数のフレームワークまたは標準を使用することもできます。

ITSMとITILに関する不明点の多くにお答えできたかと思います。ここで、より詳しい情報を得るためのリソースをいくつかご紹介しましょう。

ITILのITSMプロセス

 

ITIL – 最も一般的なITSMベストプラクティスフレームワークで、5冊のコア書籍で構成されています。これら書籍はそれぞれ、ITILで「サービスライフサイクル」と呼ばれる異なる箇所に関連しています。


ITの課題(またはITIL用語でいうインシデント管理)を管理するプロセスは、これらの段階のうちの一つであるサービスオペレーションのプロセスにすぎません。

その他の一般的なITILプロセスには、次のようなものがあります。

ITIL認定とは?

「ITSM認定」は存在しませんが、ITILやCOBITなどの一般的なITSMフレームワークには認定があります。ITILは最も一般的なITSMフレームワークであるため、ITIL認定はITSM認定として広く受け入れられていると考えられています。ITIL認定にはさまざまな認定レベルが存在します。ITIL v3には5つの認定レベルがあります。

2019年にリリース予定のITIL 4には、4つの認定レベルがあります。

最寄りのITIL認定センターは、Axelos公式サイトからご確認下さい。

ITSMの未来

ITSMの未来は、多くのテクノロジー同様、AIにかかっています。Gartner社の報告によると、IT組織はリソースの66%を日常業務、つまり「会社の存続」に関わる活動に費やしています。ITSMにおけるAIは、自動チケット解決・業務量の最適化・予測メンテナンスなどの変更を伴う日常的な作業の自動化をもたらします。ITSMの将来は管理部門からエージェント、顧客に至るまで、部門全体に影響を及ぼすAIに強く影響されるでしょう。

ITSMのAI

ITSMのAIは、一次レベルのチケット発生防止、エージェントの支援、24時間365日のサポートの提供等に役立ちます。ITSMでのAI導入は、次のような様々な形で行われます。

ITSMにおけるAIの役割についてご確認下さい。

参考文献

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