ITSMとは

情報システム部門がビジネス部門に対して提供する業務を総称して「ITサービス」と呼びます。

ITSM(IT Service Management)とは、このITサービスの計画~改善の工程を管理する考え方やその仕組みのことです。日本語ではITサービス管理またはITサービスマネジメントと訳されます

ITSMに期待される3つの効果

ビジネス視点でのITサービス運用へ転換

ITSMでは、ビジネス部門のユーザーを「顧客」と定義します。ITSMによって、バックオフィス・運用視点でのITサービス運用から、顧客へ提供する価値を念頭に置いたITサービス管理へ転換されます。

情報システム業務のルール化

ITSMでは、規定に基づきITサービスをルール化します。ビジネス部門からのサービスリクエストの処理やインシデント発生時の対応がマニュアル化されることで、ITサービス品質を一定に保つことができます。

コストの適正化

ITSMは、コストの最適化を支援します。資産・構成管理では、アプリケーション・ハードウェア・ホスティングなどの重複と無駄なIT資産の購入や重複を防ぎます。また、ナレッジ管理やプロジェクト管理により、IT運用スタッフの業務効率化を推進します。

ITSMの規格

  • ITIL (Information Technology Infrastructure Library)はITSMの代表的な規格。
  • ITIL以外にもITSMの規格は存在する。

ITSMの代表的な規格はITILです。ITILはITSMのベストプラクティスがまとめられた書籍です。

ITILは、ITSMを体系的に学べる羅針盤のような存在です。1990年にリリースした最初のバージョンであるv1以降、IT技術や時代の変化に合わせ、v2(2000年前後)/v3(2007年)/ITIL2011(2011年)がリリースされました。

そして2019年にリリースされたITIL v4は、v3の考え方を踏まえながら、「サービスバリューシステム」「サービスバリューチェーン」「サービスマネジメントの4つの側面」「プラクティス」「バリューストリーム」の5つの概念により構成されています。

5つの概念のうち、ITサービス活動を体系化した「サービスバリューチェーン」には、「計画(Plan)」「改善(Improve)」「エンゲージ(Engage)」「設計と移行((Design and transition))」「調達と構築(Obtain/build)」「提供とサポート((Deliver and support)」の6つの活動が定められています。

ITIL v4が定義するサービスバリューチェーン
計画(Plan)
改善(Improve)
エンゲージ(Engage) ※顧客とユーザエクスペリエンス
設計と移行(Design and transition)
調達と構築(Obtain/build)
提供とサポート(Deliver and support)

ITIL以外の規格

ITIL以外にも、ITSMの規格には以下の3種類があります。

ITIL+COBITというように、複数の規格を導入することもできます。

 

ITIL認定とは

「ITSM認定」は存在しませんが、ITILやCOBITなどの一般的なITSMフレームワークには認定があります。

2019年にリリースした「ITIL4」には、4つの認定レベルがあります。

ITSMの実現レベル

  • ITサービスレベルには5段階ある。
  • 段階的にITサービスレベルを引き上げよう。

クラウドやRPAの出現などITシステムが高度化する今、情報システム部門の役割は従来のシステム導入・運用だけにとどまりません。事業部門のビジネスを理解し、ビジネスの発展に貢献するITサービス提供へ転換していくことが重要です。

もしあなたの会社に一定数以上の従業員がいて、その中の一人が「IT担当者」に指名されている場合、既に小規模なITサービスマネジメントが行われていることを意味します。

たとえば、業務上必要なパソコンを買うために、エクセルやPDFでIT担当者に依頼するためのフォーマットを準備するだけでも「ITサービスを管理している状態」は満たせます。

しかしそれだけでは、ITSMが成熟している状態とは言えません。

ガートナー社では、I&O(ITインフラと運用を担当する部門)の成熟度を、成熟レベル1~5の段階に分けて考えています。

IT運用中心のレベル1から、レベルが上がるにつれITILやさまざまな手法を取り入れ、ビジネス中心の考え方へとシフトしていきます。これからITSMに取り組む企業は段階的にITサービスレベルを成熟させる方法を検討する必要があります。

ITSMの導入はサービスデスクから

サービスデスクはITSMの主要機能である。

多くの企業が、サービスデスクとサービスデスクが提供するプロセスの改善から、ITSMを導入する。

自社にITSMを導入する場合、何から始めれば良いのでしょうか。

多くの企業がサービスデスクの改善からITILを導入

システム管理者の会が、会員向けに実施したアンケート調査では、多くの企業が、サービスデスクおよびサービスデスクが供給するプロセスの改善からITSMを導入しているという回答が多数を占めます。

サービスデスクが供給するプロセスは、要求実現/インシデント管理/問題管理/変更管理など多岐にわたります。

サービスデスクが提供するプロセスの例

要求実現

従業員から寄せられるITサービスに対するさまざまなリクエストを管理し、実現するプロセス。

構成管理 (CMDB )

ITシステムの構成を管理するプロセス。

インシデント管理

システム停止やパフォーマンス上の問題が原因でサービスが中断した場合の復旧または修正を管理するプロセス。

問題管理

 複数のインシデントから成る問題の根本原因分析(RCA)を分析し終止符を打つプロセス。

変更管理

ITサービス全体に対する変更作業(追加/修正)を管理するプロセス。

サービスデスクは、ITSMの主要機能として定められています。

ITSMにおけるサービスデスクは、ビジネス部門と情報システム部門間の単一窓口(SPOC)として機能します。

ITSMS

ITSMに基づき情報システムサービスを管理するツールを、ITSMS(IT Service Management/ITサービスマネジメントシステム)と呼びます。『Freshservice』もITSMSのひとつです。

ITSMSを導入することで、効率的にITSM対応のサービスデスクを構築することが可能となります。国内外にさまざまなITSMSベンダーがあります。

ITサービスマネジメント専用のツールである場合もあれば、アプリケーションスイートにITSMSが含まれる場合もあります。
ITSMSは、ITSMで定義されるサービスリクエストの処理・構成管理・インシデント管理・問題管理・変更管理など複数の機能を備えています。

2014年にITRが行った調査によると、ITSMSを導入済の企業と検討中の企業を合わせると全体の7割にもおよぶとの結果が出ています。

シンプルなITSMS:Freshservice

ITIL準拠

FreshserviceはITILにおけるサービスデスクが供給するプロセスを標準化する、ITIL準拠のツールです。

サービスデスクの重要な機能とされる「インシデント管理」「資産管理」「問題管理」「変更管理」「プロジェクト管理」に対応しています。

シンプルなUI

Freshserviceは、最新かつ直感的なUIを備えたツールです。最小限のトレーニングまたはトレーニングを全く行わずに利用可能で、情報システム部門だけではなく、ビジネス部門にも直感的でわかりやすいUIを提供します。

AIによる業務の自動化

Freshserviceは、サービスデスク部門のさまざまな業務を自動化して、優れたエクスペリエンスを提供するツールです。

ナレッジベースやオンライン検索から関連する解決策を提案します。

FreshserviceのAIはオペレータの応答に基づいて新しい記事を作成し、オペレータにスマートな提案を提供します。

レポート機能

Freshserviceのレポート機能は、事前に定義済みレポートによる主要業績評価指標(KPI)トラッキングで、サービスデスクの改善をサポートします。

Freshserviceで測定できるKPIの例

顧客満足度(CSAT):サービスに対するユーザーの満足度。

初回解決率:ユーザーから1回目の問い合わせで問題をクローズできた案件の割合。

一次レベル解決率:転送やコールバックされることが全くなく、お客様からの1回目の入電で問題を解決することできた案件の割合。

チケットあたりの費用:1つのチケットを解決するためにかかったコスト。

解決までの平均時間:問い合わせ1件あたりの平均対応時間。