ITILは、IT担当者がITサービスマネジメント(ITSM)に使用する主要なフレームワークです。本ガイドではITIL認定に関するあらゆる情報を入手して頂けます。ITサポートに関わっているのであれば、ITIL認定取得は取り組むべきことの1つです。ITILフレームワークは、ITサービスをビジネスニーズに合わせることに焦点を当てた詳細な習慣の一式です。ITILの原則はベンダーに依存せず、ITスタッフの生産性の向上とIT運用コストの削減するという2つの利点を目的に使用されます。

現在のITILには5つの核となる部分があり、それぞれがITSMライフサイクルのさまざまな段階をカバーしています。多くの場合、ITILはITサポートの聖書のような存在であると見なされます。しかし、実際のところITILはITサポートに関する一連のベストプラクティスであり、そのように捉える必要があるという事実が理解されていないのです。 ITILフレームワークはあくまで目的への手段であり、目的そのものではないのです。

たとえば、ITILの一連のベストプラクティス(サービスデスクのセルフサービス)を使用して、問題の解決を目的とする直接対応リクエストの数を減らすことができます。ただし、これを実現するには、ITSMツールに包括的なセルフサービスポータルが必要なのです。

それでは、ITILの原則とは何でしょう?

前述したように、ITILはシームレスなITサービスの提供に役立つ一連のベストプラクティスです。現在のITILは、いくつかのアップグレードや改訂を経ています。ITILの最新バージョンは、ITサービスのさまざまな側面をカバーする5つの部分で構成されています。これら5つの部分は以下の通りです

ITIL v3としても知られる最新のITILは、ビジネスとITの統合に焦点を当てています。ITILの原則に体系的に従うことで、リスクの管理と軽減、ITサポートのコスト削減、成長・拡張・変更のためのエコシステムの構築、およびエンドユーザーとの関係強化を支援できます。

ITIL認定を取得する必要がある理由

ITサポートの担当者には、ITIL認定を取得するさまざまなメリットがあります。例をいくつか紹介しましょう

より準備を万端に

言うまでもなく、ITIL認定はITILフレームワークに関する深い知識を提供し、作業をより適切に管理できるようにします。この認定を適切に使用することで、仕事の生産性と効率が向上します。

専門性と賃金の向上

ITIL認定を受ける主な理由の1つが、より良い給与を伴う専門的な能力開発であり、これはすぐに想像がつくでしょう。ITSMの世界では、認定資格を持つ人は他の人よりも有利な立場を得られます。認定を取得することで、給与も大幅に上がるのです(最大15%)。収入は住んでいる場所や経験によって異なりますが、認定を取得することで賃金は向上するのです。

ITプロフェッショナルの言語を話す

ITILは、ITSMで最も広く採用されている方法です。ITIL認定を取得すると、さまざまな業界や地域のITプロフェッショナルが使用する一般的な用語を知ることができます。広く受け入れられ認識されているプロの言語を話せるようになるということです。

全体像を把握できる

一連のモジュールからわかるように、ITIL認定はITとビジネスがどのように適合しているかの全体像を示します。これにより、さまざまなITイニシアティブをより的確に把握できるだけでなく、より大きなビジネス目標に合わせた意思決定が可能になります。

ITIL認定試験

ITILは「ITILクレジットシステム」と呼ばれるものを使用して認定を授与します。すべてのITILおよび関連する資格に対しては、特定の「クレジット数」が授与されます。各レベルでクレジットを獲得し、候補者は認定の次の段階へと進みます。「ITILエキスパート認定」を取得するには、22ポイントが合計で必要です。

ITIL資格の各レベルでは、ITILベストプラクティスのさまざまな側面に焦点を当てています。ITIL認定の5つのレベルは次のとおりです。


これらの各セクションについて詳しく説明していきましょう。

ファンデーションレベル

これは認証における第1レベルです。ここでは重要な要素の一般的な認識、ITILコンセプトの基本、ITILサービスライフサイクルで使用される重要な定義、およびサービスマネジメント実践への貢献に重点を置いています。

ITIL認定ファンデーションレベルの対象者

ファンデーションレベルは40の選択問題で構成されており、レベルをクリアした候補者に2クレジットが授与されます。少なくとも65%(40問中26問)の正解が認定の取得ラインです。 ファンデーションレベルは持ち込み禁止の試験で、試験を受けるために必要な前提条件はありません。ITサービスマネジメントに関心のある人なら誰でも試験を受けることができます。

プラクティショナーレベル

プラクティショナーレベルは、ITIL認定の2番目のステップです。この段階では、ファンデーションレベルとインターメディエイトレベル(ITIL認定の3番目のレベル)の間の橋渡しを行うことに焦点を当てています。プラクティショナーレベルの主な目的は、ITスタッフが職場でITILフレームワークを採用できるようにすることです。

DevOps・アジャイル・リーンのような他のフレームワークのベストプラクティスを構築することで、ITIL実践者はITサービスマネジメントにおけるあらゆる改善イニシアティブに価値を与えます。ファンデーションレベル同様、プラクティショナーレベルには40の選択問題があり、135分以内に回答する必要があります。このレベルの合格ラインは最低70%(40問中28問)です。最初のレベルとは異なり、これは持ち込み可の試験です。このレベルを完了すると、3クレジットが付与されます。

インターメディエイトレベル

このレベルは柔軟な構造で、2つのカテゴリを含みます

上記の詳細からわかるように、ITIL認定のインターメディエイトにおける各モジュールは、サービスマネジメントのさまざまな側面に焦点を当てています。インターミディエイト資格は必要な数だけ取得することが可能です。モジュールから学びたい内容に基づいて、これら両方のカテゴリのモジュールを組み合わせて受験できます。
インターメディエイトレベルでは15または16クレジット(選択したモジュールによる)が与えられます。ただし、インターメディエイトレベルは、ITILのファンデーション試験に合格し、ITIL認定機関の認定トレーニングコースを修了した方にのみ提供されます。

エキスパートレベル

ITILフレームワークに対する理解度を実証したいとお考えの方には、ITILエキスパート認定が最適です。エキスパート認定は、ITILのベストプラクティスに関する十分に詳細な知識とスキルを持っている人物に与えられます。

ITILエキスパート認定を取得する上での重要な要件がいくつかあります

マスターレベル

すべてのITILマスター取得候補者は、ITIL関連の職務において、職場での導入プロジェクトの成功を実証する必要があります。Axelos(ITILフレームワークの作成元)によって提案された固定/規定のシラバスやトレーニングはありません。Axelosのウェブサイトには、「実践的なITILの広域かつ【実践的】な経験があり、実践の導入に積極的に関与していることを実証する必要があります」と記載されています。ITIL認定のマスターレベルにおける受験資格は以下の通りです

ライフサイクル全体の管理

候補者は5クレジットを獲得できます。ITILファンデーション試験に合格し、さらに15クレジット(インターメディエイトコースから)を修得することが、この試験に参加するための最低条件です。つまり、この試験を受けるには、最低17クレジットが必要だということです。世界中の多くのIT担当者が、これをITILエキスパート認定取得の入り口として活用しています。

各レベルの認定を完了すると、認定とクレジットが付与されます

ITIL認定の費用について

ITIL認定の費用は地域によって異なり、費用は試験を受験する国によって決まります。認定の登録料は150ドルから500ドルです。ただし、これらは試験を受けるだけの費用です。ほとんどの場合、候補者とIT担当者は、ITIL認定試験の準備を支援するには外部機関と連携することを検討します。こういったコースの費用はどの機関で研修を受けるかによって異なり、500ドルから1000ドルの間です。とはいえ、IT担当者の中には、認定を受けるための準備を自力で行う人もいます。これにより、外部機関との連携コストを完全に排除することが可能です。

ITIL補完認定

ITILクレジットシステムでは、5つのレベルから成るITIL認定とは別に、一般的にITIL補完認定と呼ばれる補完的なコースに基づいて単位が授与されます。1つまたは複数の補完的な認定資格を取得することで最大6クレジットが取得可能です。 Axelosの公式サイトには、ITILクレジットプログラムの概要が掲載されており、達成した合計クレジットをより適切に活用できるようになっています。また、キャリアの希望や関心のある分野に基づいて、取得する必要がある、または取得すべき可能性のある追加の認定についてもわかりやすく説明しています。

しかしながら、さまざまなレベルのモジュール間に多くの重複が出ないように注意する必要もあります。重複の割合に基づいて、Axelosは重複カテゴリを低、中、高のカテゴリに分類しています。候補者は正しいクレジット数を獲得するため、「重複が少ない」ゾーンに留まる必要があるのです。

ITIL補完認定 クレジット数 認定機関 概要
問題アナリスト 1.5 APMG-International インシデントと問題の未然防止への注力
ISO/IEC 20000 1.5 APMG-International ITSMでのベストプラクティスのデモと指導
BiSL 0.5 APMG-International ビジネス情報管理ドメインを確立
変更アナリスト 1.5 APMG-International 変更を評価、承認、管理する方法。
認定プロセス設計エンジニア(CPDE) 1.5 LCS ITサービスに関連する評価・導入・その他のプロセス
リーンIT 0.5 APMG-International 多様性と柔軟性を排除した価値志向のITサービスの構築
BCSスペシャリスト資格 1.5         ITIL、COBIT、ISO / IEC 20000などの幅広いITフレームワークをカバー
サービスカタログ 1.5 APMG International サービスカタログを効果的に管理し、サービスリクエスト管理を自動化
ITSMファンデーション 1 Exin & Tuev Sued ISO / IEC 20000に基づくITサービスの基本原則。プロセスの品質の改善が目標。
ASL2 1 APMG-International ISO / IEC 20000に基づくITサービスの基本原則。プロセスの品質の改善が目標。
購買ガバナンスの基本 1 APMG-International  購買および外部委託のガバナンスとそれらの適用方法
構成管理データベース 1.5 APMG-International SMDBのCIを制御、監査、報告、および検証する方法を学習。資産管理機能を強化する。

ITIL認定のニュアンスとは?

ここまでで、ITIL認定試験の受験に必要なコースワークの準備が整いました。ここからさらに細かいニュアンスを理解しましょう。試験の受験時は、認定トレーニング機関と試験機関のいずれかを必ず選択してください。認定センターのリストやその他情報はこちらからご利用頂けます。資格とキャリアの希望をどう結びつけるか迷っている方のために、スキルと資格をマッピングするガイドもご用意しました。ITIL認定を受ける前に、サンプルのオンラインで利用可能なITIL試験の少なくとも1つに合格することが重要です。ただし、自力でテスト準備をしたい場合、ITILテスト準備キットをより手頃な価格で購入可能です。わずか59ドルの準備コースもありますのでぜひ活用してみて下さい。

更に、Axelosは公式のAndroidおよびiOSアプリも用意しています。

ITIL認定について他にも質問がありますか?support@freshservice.comまでご連絡ください

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