サービス要求管理の課題
このようなフローで進行されるサービス要求管理には以下のような課題があります。
(1) 問い合わせの分類と割り振り
利用者からの問い合わせの多くは、利用者自身がその原因を理解していません。
「メールが送れない」という問い合わせの原因が、パスワードを忘れてメールアプリを利用できないことである場合も、サーバーの問題である場合もあります。
サービス要求管理では、そのような問い合わせを、原因や対応によって分類し、適切な担当部門へ割り振る必要があります。
問い合わせ内容の判断と適切な割り振りは、要求の数が増えればサービス提供者の大きな負担となっていきます。
(2)対応手順ナレッジの事前決定・管理
サービス要求の多くは、繰り返し頻繁に要求されるものです。例えば、Windows Active Directory等のパスワード紛失によるリセット対応が典型です。
一つひとつは大きな手間ではありませんが、数が増えるにつれ窓口担当者の業務を圧迫します。
そのため運用側は、これらの繰り返される要求に対し、必要となる部門や、完了までのプロセスを整理し、あらかじめ対応手順を決定しておき、ナレッジとして共有することが重要になります。
(3)複数の承認を通す必要がある
サービス要求には、複数の部門が連携して対応することもあります。
そうした場合、作業後にそれぞれの部門での承認が必須となり、サービス要求がクローズするまでに必要以上の時間と手間がかかる原因となります。