サービスデスクとは、ユーザーからの問い合わせ全般に対応しながら、さらにユーザーに対してナレッジの発信と共有を担う部門を指します。
サービスデスクは、ヘルプデスクとは異なります。サービスデスクの業務フローは、受付、管理、対応、共有、効率化の5つのステップからなります。
ITIL(ITサービスマネジメントの成功事例をまとめた書籍群)において、サービスデスクは、ユーザーの立場にたった単一窓口(SPOC:Single Point Of Contact)を提供し、インシデントを管理する部門です。
サービスデスクはインシデント管理 、問題管理 、構成管理 、変更管理 、リリース管理 、要求実現 の6つのプロセスを支える重要なセクションです。
ヘルプデスク(※)とサービスデスクの最大の違いは、「能動的な情報発信や共有を担うかどうか」です。
ヘルプデスクは、製品・サービスの使用方法や故障などについての問い合わせに対応する”トラブルシューティング”としての側面が大きいです。
一方でサービスデスクではそうしたトラブルシューティングに加えて、よく届く問い合わせに関するFAQの配信や新機能の発信、顧客満足度向上のための満足度調査なども求められます。
サービスデスクには4つの形態があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
種類 |
特徴 |
メリット |
デメリット |
---|---|---|---|
ローカルサービスデスク |
サービスデスクが社内や顧客のローカルサイト内など、物理的に近い場所に設置されている形態 |
物理的に距離が近いため、コミュニケーションが取りやすく迅速な対応が可能 |
問い合わせやトラブルに迅速に対応できるよう、常にスタッフを待機させる必要があるため、リソースとコストがかかる |
中央サービスデスク |
サービスデスクを特定の1ヶ所で運営する形態 |
サービスデスクの数を減らすことでリソースとコストがかからず、熟練されたスタッフを効率的に配置できる。より少ないスタッフで大量の問い合わせに対応することが可能 |
ユーザーとの距離が離れているため、現地対応などには即座に対応できず遅延が発生してしまう |
バーチャルサービスデスク |
インターネットやサポートツールを利用することで、各地にサービスデスクのスタッフが配置されていても中央サービスデスクのような形態をとれることが特徴 |
在宅勤務やアウトソーシングなど、任意の組み合わせが可能で柔軟にサービス体制を構築できる。ユーザーには単一の中央サービスデスクがあるかのような印象を持たせられる |
スタッフ同士が離れているため、サービスの品質や一貫性、画一性を確保する手段が必要。また専用のツールも不可欠で、導入コストがかかる |
フォロー・ザ・サン |
世界の各地に拠点を構えるサービスデスクが連携し、24時間体制でサービスを提供するグローバル企業向けの形態。1つのサービスデスクで解決できなかった問題を、他のサービスデスクが引き継いで解決することも |
どの拠点でも単一シフトで稼働できるため、24時間対応で低コストを実現可能 |
共通のプロセス、ツール、情報共有DB、引継ぎルールなどの調整が難しい |
サービスデスクの業務は、5つのステップに分けられます。
サービスデスクツールを導入する際は、それぞれのステップにおいて重要な機能を備えているかを確認する必要があります。
ユーザーが問い合わせを行う際の代表的な問題として、「どこに問い合わせをすればいいかわからない」「問い合わせをしても複数の部署をたらい回しにされる」というものがあります。
これらは、問い合わせの内容によって、受付している窓口やチャネルが異なることが原因で発生します。
ユーザーの問い合わせを容易にするための対策として、窓口の一元化やオムニチャネルへの対応、サービスカタログ の導入などがあります。
サービスデスクツールの導入時には、こうした機能を持つものを選ぶ必要があります。
サービスデスクでは、問い合わせを適切な部署や担当者に振り分けるために、すべての問い合わせを、内容に応じたカテゴリに分類します。
電話やメール・チャットなど、さまざまなチャネルから届く問い合わせを人力で整理し、分類することは容易ではありません。すべての問い合わせを一か所に集約して管理するシステムが必要です。
問い合わせチケット管理システムはこの代表と言えます。
問い合わせ対応の遅延や対応漏れは、サービス利用者からの不満に直結します。
顧客満足度を向上させるためには、対応状況を可視化し、対応漏れや遅延を起こさないための仕組みづくりが必要です。
ヘルプデスクと異なり、サービスデスクには情報を発信・共有するための機能が必要です。
ナレッジベースを活用したユーザー向けFAQは、最も代表的な情報発信手段です。ユーザーがFAQを参照するようになれば問題の自己解決が促され、問い合わせ量の削減にもつながります。
また、担当者の熟練度や知識に差がある場合、ユーザー対応の品質にばらつきが発生しやすくなります。対応品質のばらつきは、顧客満足度を著しく低下させます。
ナレッジベースによるケーススタディの共有は、ユーザー対応品質の均一化、ひいては顧客満足度向上に貢献します。
問い合わせがクローズするまでの時間が長期化すると、サービスデスクは有効に機能しません。
複数回のやり取りを必要とする問い合わせでも、すみやかに解決まで導くためには、ワークフローやエスカレーションの自動化、テンプレートの共有などによりサービスデスクの業務を効率化する必要があります。
Freshserviceは、インシデント管理、問題管理、構成管理、変更管理、リリース管理、要求実現など、サービスデスクに必要なあらゆる管理項目に対応したITIL準拠のITSMS です。
Freshserviceは直感的なサービスカタログ管理インターフェースを備えたサービスデスクツールです。
ユーザーは、あらかじめ設定されているサービスカタログの中から利用するサービスを選択するだけで問い合わせを行えるため、問い合わせの際に状況を詳細に説明する必要が無くなります。
また、サービスカタログからの問い合わせは、分類済みの状態でサービスデスクに届くため、担当者が問い合わせの管理・分類作業に費やす時間を大幅に削減することができます。
Freshserviceでは、すべての問い合わせをチケットとして一元管理。未割当てや未解決のチケットを一覧で可視化して、対応漏れや遅延を防止します。
チケットには、問い合わせの内容に合わせたカテゴリやタグを複数登録できるほか、期限や優先度、担当者なども登録可能です。
期日や優先度によるチケットの絞り込み機能も備えています。
Freshserviceでは、ユーザー・担当者の双方が確認できる包括的なナレッジベースを構築可能。誰でも簡単に、画像や動画を利用したリッチなナレッジベースを構築できます。
充実したナレッジベースは、ユーザーによる問題の自己解決を支援すると共に、担当者の情報共有をサポートして対応品質を均一化します。
Freshserviceでは、チケットのカテゴリや問い合わせユーザーの属性を条件として、問い合わせ対応に必要な作業をワークフローとして登録できます。ワークフローに登録された業務は、Freshserviceが即座に自動で対応します。
他部門の上長承認など、サービスデスク以外に対してのエスカレーション対応も設定可能で、業務の効率化だけでなく、対応遅れの原因となりやすい部門間の連携も支援します。
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