ITILにおけるプロジェクト管理

ITILにおけるプロジェクト管理とは、ITILv4で新たに導入された「プラクティス」です。プロジェクトの企画~実行までコントロールし、関係者のモチベーションを維持することで、プロジェクトを成功に導くことが目的です。

「プラクティス」とは

「プラクティス」という単語に馴染みのない方も多いのではないでしょうか。

「プラクティス」は、ITIL v3/2011の「プロセス」に代わり、ITILv4から導入された新しい概念です。インシデント管理問題管理/ナレッジ管理などの「プロセス」と、サービスデスク などの「機能」が、ITILv4では「プラクティス」と表現されるようになりました。

ITILv4において、プラクティスは「業務の遂行や目的の達成のために設計された、一連の組織リソース」と定義されています。

ITILv4には34個のプラクティスがあります。ITILv4のプラクティス群は、「一般管理プラクティス」「サービス管理プラクティス」「技術管理プラクティス」の3種類に分類されています。プロジェクト管理は、「一般プラクティス」に分類されます。プロジェクト管理は、ITILv4から新たに追加されたプラクティスです。

一般管理プラクティス
(General Management Practices)
サービス管理プラクティス
(Service Management Practices)
技術管理プラクティス
(Technical Management Practices)

アーキテクチャ管理

可用性管理

展開管理

継続的改善

事業分析

インフラストラクチャとプラットフォ ーム管理

情報セキュリティ管理

キャパシティとパフォーマンス管理

ソフトウェアの開発と管理

ナレッジ管理

変更コントロール


測定とレポート

インシデント管理


組織の変更管理

IT 資産管理


ポートフォリオ管理

モニタリングとイベント管理


プロジェクト管理

問題管理


関係管理

リリース管理


リスク管理

サービスカタログ管理


サービス財務管理

サービス構成管理


戦略管理

サービス評価とテスト


サプライヤ管理

サービス継続性管理


人材管理

サービスデザイン



サービスデスク



サービスレベル管理



サービスリクエスト管理


ITIL v4におけるプロジェクト管理の2つの特徴

前バージョンのITILv3/ITIL2011では、「プロセスを要件定義し、手順通りにITサービス業務を実施すれば、品質の高いITサービスが提供できる」というウォーターフォール的な考え方が前提にありました。

2019年にリリースされたITIL v4では、市場の変化に対応するために、新しい働き方を活用することが推奨されています。代表的なのが「アジャイルの概念」と「DevOps(デヴオプス)」です。

アジャイルの概念

アジャイルとは、プロジェクトを短い開発期間単位に分けて、柔軟にソフトウェア開発を進めていこうとする考え方や開発手法を言います。

ITILv4 は、アジャイルプロジェクトマネジメント・フレームワークであるPRINCE2 Agile®を参照しています。

市場での競争力を高めるためには、競合他社よりも迅速に、高品質の商品/サービスを提供することが重要です。そのためにアジャイルアプローチがあります。アジャイル開発では、ワークフローと作業のボトルネックをわかりやすく管理できるカンバン方式でのプロジェクト管理が有効です。

DevOps(デヴオプス)

DevOps(デヴオプス)とは、開発部門(Development)と運用部門(Operations)が協働するソフトウェア開発手法のことです。

従来開発部門と運用部門は、組織的にも機能的にも分離されていました。「DevOps(デヴオプス)」は、開発と運用が開発段階から協働で、本来の目的である「エンドユーザーに価値を届けよう」とする考え方です。

DevOpsを現場に導入するためのポイントは、「部門横断的なチーム編成」と「共通のツール基盤を使用すること」の2つです。

「部門横断的なチーム編成」

DevOpsでは、プロジェクトを基準にして部門横断的にチームを編成することが推奨されます。開発者/運用者の連携を密にすることで、デプロイを頻繁にできる環境を作ることが目的です。

「共通のツール基盤を使用」

DevOpsでは、開発者/運用担当者が同じツールを使用することが推奨されます。

ツールには以下のようなものがあります。

共通のツール基盤を使用することで、コミュニケーションコストを下げ、情報共有を迅速にすることが目的です。

ITILv4におけるプロジェクト管理の課題

ITILv4のプロジェクト管理を適用する際の課題は、「従来のプロジェクト管理ツールでは、プロジェクトとサービスデスクが分断されてしまう」ことです。

ITILv4で取り込まれたDevOpsでは、開発と運用が「共通のツール基盤を使用すること」が推奨されています。すでになんらかのプロジェクト管理ツールを利用して、開発担当者と運用担当者が協働している現場もあるでしょう。

しかし、プロジェクト管理に特化したツールには、一般的に運用部門にとって重要なミッションであるサービスデスクの運営に必要な機能が備わっていません。(サービスデスクはITIL準拠のためにも必要です)

そのため、サービスデスクとプロジェクト管理ツールの連携を運用でカバーする必要が出てきます。

こうした環境では、ITSMSの中核であるCMDB や、インシデント管理変更管理 と関連付けたITサービスの提供が困難です。また、プロジェクト管理に特化したツールでは、運用担当者によるサービス品質を定量的に測定できないという課題もあります。

FreshserviceでDevOpsなプロジェクトとサービスデスクを一元管理

Freshserviceは、DevOpsを促進するプロジェクト管理機能を備えた、サービスデスクツールです。ITILv4におけるプロジェクト管理の課題をスマートに解決します。

シンプルで高機能なUI

Freshserviceは、プロジェクト管理をシンプルなUIで実現するツールです。

Freshserviceのプロジェクトダッシュボードでは、プロジェクトの進捗状況を、一目でトラッキングできます。

タスクの所有者・完了率・期限など、必要な情報を簡単に表示できます。プロジェクトに関連する文書や、特定の懸念についてのメモのファイルやリンクを添付することも可能です。

pict 1 pict 1

プロジェクト管理とサービスデスク機能を連携

Freshserviceでは、プロジェクト管理機能とサービスデスク機能を連携することが可能です。

サービスデスクのチケット・インシデント ・変更履歴IT資産 などを、プロジェクトに紐付けて一元管理できます。

pict 2 pict 2

低コストで導入可能

Freshserviceでは、ITIL準拠のプロジェクト管理機能付きのプランとしてProプラン をご用意しています。月額$89からの低コストで導入可能。14日間の無料トライアル期間をご用意しています。トライアル期間は、Freshserviceの全機能をお試しいただけます。