契約管理とは

契約管理とは、契約内容管理と契約書管理の両方を指す単語で、企業において取り交わされる多様な契約の内容や期限、それらを定めた契約書を管理することです。

ガバナンスの強化やコンプライアンスが重視される昨今、契約管理は企業の社会的信用にかかわる重要な業務となっています。

契約に関する民法は明治の制定から120年を経た2020年4月に、初めて大きく改正されました。(債権法改正について:法務省 )

民法において契約とは、「2者以上の間における、法的な拘束力を持った合意」を指します。

契約が成立すると当事者は、その内容の順守に法的な拘束力が生じ、契約内容に違反した場合、損害賠償などの制裁が加えられることもあります。

企業においては、売買契約、賃貸借契約、雇用契約などが日常的に結ばれており、年に数千~数万件の契約を結ぶ場合もあります。

サービスデスクにおいても業務委託先との契約やソフトウェアのライセンス契約など、多様な契約を効率的に管理することがミッションとなります。

契約内容管理

契約内容管理では、契約期限をはじめとして、解約条件や違反時のペナルティーなどの契約内容全般を管理します。

契約内容の中でも、契約期限の管理は特に重要です。

契約の中には、期限が来たら自動的に更新されるものも多いです。

次の更新のタイミングで契約の見直しをしたいと考えていても、自動更新によってその機会を逃してしまい、契約内容の変更のために違約金を払って一度解約する、といったことが起こり得るためです。

サービスデスクで管理される携帯キャリアとの契約やライセンス契約がその最たる例となります。

契約書管理

「法定保存文書」として、契約書を定められた期間保管しておくのが契約書管理です。

(参考:総務省オンライン・契約管理 )

また、昨今はデジタル化によって検索性を高めて必要な契約書をすぐに取り出せる環境を構築したり、クラウドによって契約の取り交わしをスムーズにすることも求められています。

契約管理のメリット

業務の効率化

契約管理によって、過去の取引データを参照しやすくなることで、業務の効率化につながります。

企業活動において、過去の契約書を確認する状況は頻発します。

例えば、以前契約していた企業と再度契約する場合は、過去の契約書を参考に契約内容を決定することもあります。また、契約内容の更新時に過去の類似契約を参考にして契約内容を見直すこともあります。

しかし、更新業務や新規契約のたびに、社内に点在する資料を探すのは非効率です。例えば契約書の保管が部門ごとに行われていると、わざわざ他部門に依頼して過去の契約書を探さなければならないシーンも想定されます。

組織の契約書をデータで一元管理し、必要な社員が誰でも参照できるようにすることで、契約書の検索効率を上げ、スムーズに業務に取り掛かることができるようになります。

リスクマネジメント

契約管理は、リスクマネジメントの観点でも重要です。

取引先が、契約内容に違反した場合に、損害賠償を行ったり、契約を解除したりしますが、こうした行動は、契約書に基づいて行わなければなりません。自社が契約内容に違反して、損害賠償請求や契約解除されないようにするためにも、契約内容を確実に保管しすぐに参照できるようにしておく必要があります。違反に気付くためには、契約内容を関係者に共有することも大切です。

また契約書が紛失したり、保管のセキュリティが不十分だったりすると、契約条件や取引内容といった重要な情報が漏洩することになります。

適切な契約管理を行い、すべての契約を保管し、適切な範囲に共有することで、こうしたリスクを回避することができます。

契約管理システムの利点

契約書の中には、書面で取り交わされるもの少なくありませんが、紙の契約書は複数の問題を抱えています。

ファイリングして保管する場所も必要ですし、作成時や契約時には、印刷代、収入印紙、郵送代などコストがかかります。参照した際に紛失や戻し忘れが発生するリスクもありますし、保管場所が他部門や他支社であった場合、参照するのに時間がかかります。閲覧や更新の履歴を記録することもできません。さらに新規の契約を結ぶたびに書面を郵送して署名・押印するのでは時間もかかります。

契約管理システムは、書類をデジタルデータで管理するので、紙ベースで発生していた問題点を解決することができるのです。

デジタル化すれば書類作成時のコストや時間を節約することができ、契約書を一元管理することで、社内の全てのデータにアクセスできるようになります。閲覧範囲は社員の部署や権限に合わせて設定可能です。社名や製品名から検索して確認しやすくなることや、商談時に社外からでも契約情報を確認出来ることもメリットです。

また、閲覧や更新、稟議の記録をつけることで、万が一情報漏洩が発生しても最終アクセス者をたどることができますし、その他のセキュリティ対策も行いやすくなります。

サービスデスクにおける契約管理のシステム化

契約管理は、サービスデスク の多くの業務と密接に関係しています。

契約先を管理するサプライヤ・ベンダー管理 はサービスデスクの業務ですし、SLAに基づくサービスレベルの管理 、ソフトウェアやハードウェアの契約更新・メンテナンス契約などのIT資産管理 でも、契約管理による、契約内容の明確化や更新期限の管理などが重要な役割を果たします。

そのため、サービスデスクの契約管理をシステム化するにあたっては、契約管理に特化したシステムではなく、契約管理に加えてサービスデスクに必要なITSM機能を備えたオールインワンのツールを導入すべきです。

クラウド契約管理機能を備えたサービスデスクツールFreshservice

優れたサービスデスク効率化機能

freshserviceは、複数のSLAを登録しパフォーマンスを監視するSLA管理機能から、ソフトウェア・ハードウェア・ライセンス などすべてのIT資産を一元管理できるIT資産管理機能、インシデント管理 機能、サプライヤ管理機能まで、サービスデスクに必要なすべての機能を備えています。

SLAの登録

契約の更新に関する状況を通知

Freshserviceでは、登録した契約の更新が近づいた際に通知を送信します。

更新期限が過ぎていて、気付かないうちに解約されてしまっていたり、自動更新で契約内容を見直す機会を逃してしまったり、といった更新時のトラブルを防ぎます。

契約内容の管理

クラウドで完結する契約書の署名機能

Freshserviceなら、クラウド上で電子署名法に準拠した契約の取り交わしを完了させることができます。

電子署名はメールアドレスのみで認証できるため、取引先の担当者もスムーズに利用可能です。

書面の印刷や郵送、収入印紙にかかるコストや時間をカットできるほか、署名・押印のために出社する必要もなくなり本格的なテレワークの実施に役立ちます。

複数の承認依頼を自動で処理

契約時には、他部門の上長承認など、社内で複数の承認が必要になることも多いです。

Freshserviceは、ワークフロー設定により、業務の遅れを発生させやすい承認フローを効率化します。

承認ワークフローの作成 承認ワークフローの作成