資産ライフサイクル管理の目的
調達計画の改善でコストを削減する
資産ライフサイクル管理によって調達管理とIT資産管理 が関連付けて行われると、組織全体での資産の保有数や利用状況をもとに調達計画を立てられるようになります。これによって、過剰な調達を防ぎコストを削減することができます。
また、資産の利用状況や減価償却も管理するため、適切な買い替えのタイミングも計画することができます。
ライセンスの不正利用を防止
IT資産のうち、ソフトウェアは有償・無償に関わらず「著作物」なので、使用には制作者の「使用許諾(ライセンス)」を得る必要があります。契約したライセンス数を超える不正な利用やソフトウェアの違法コピーは、著作権法に抵触する行為です。
管理不足で、契約した期限を過ぎても使用を続けたことで、後に権利関係で大問題に発展するケースもあります。
資産ライフサイクル管理では、どのPCにインストールされているどのソフトウェアのライセンスが、いつ使用期限や更新時期が来るのかを管理することで、こうしたトラブルを未然に防ぎます。
セキュリティの強化
資産ライフサイクル管理はセキュリティの強化にもつながります。
資産の導入から10年近く経過しているが、問題なく稼働するため使用を続ける、ということは珍しいことではありません。しかし、最新でないシステムやソフトウェア・ハードウェアは、ウイルスやマルウェアに対する対策も更新されていないことが多く、セキュリティ面で脆弱です。
このようなセキュリティホールを作らないためには、資産の適切な入れ替え時期を管理する資産ライフサイクル管理が重要です。
また、資産の廃棄時にも情報漏洩のリスクはあります。
廃棄する資産は、廃棄業者や中古業者へ引き渡すことが多いですが、その際にデータを完全に消去しなければ、第三者の復元による情報漏洩の可能性があります。(例:PCを廃棄する際にデータを消去するだけでなく、ハードディスクを物理的に破壊しておく)
資産ライフサイクル管理では、誰がどの資産をどのように廃棄するのかを定義し、記録することで、資産廃棄時における情報漏洩を防止します。