資産ライフサイクル管理とは

資産ライフサイクル管理とは、IT資産のライフサイクルを「調達」「導入」「運用」「廃棄」の4つに大別し、各段階での資産の状況を追跡管理することを言います。

クラウド型サービスやサブスクリプション型サービスが増加するなかで、ライセンスの不正利用やセキュリティ対策のために重要視されるようになってきています。

組織に導入された資産の運用を主な役割とするIT資産管理に加え、調達段階から長期的な計画を立てる調達管理の要素も含みます。

また、廃棄のプロセスを管理することも特徴で、不完全な廃棄による情報漏洩や不法投棄によるコンプライアンス違反の防止、廃棄時における関連資産への影響を最小限に抑えるなどの役割を果たします。

資産ライフサイクル管理の目的

調達計画の改善でコストを削減する

資産ライフサイクル管理によって調達管理とIT資産管理 が関連付けて行われると、組織全体での資産の保有数や利用状況をもとに調達計画を立てられるようになります。これによって、過剰な調達を防ぎコストを削減することができます。

また、資産の利用状況や減価償却も管理するため、適切な買い替えのタイミングも計画することができます。

ライセンスの不正利用を防止

IT資産のうち、ソフトウェアは有償・無償に関わらず「著作物」なので、使用には制作者の「使用許諾(ライセンス)」を得る必要があります。契約したライセンス数を超える不正な利用やソフトウェアの違法コピーは、著作権法に抵触する行為です。

管理不足で、契約した期限を過ぎても使用を続けたことで、後に権利関係で大問題に発展するケースもあります。

資産ライフサイクル管理では、どのPCにインストールされているどのソフトウェアのライセンスが、いつ使用期限や更新時期が来るのかを管理することで、こうしたトラブルを未然に防ぎます。

セキュリティの強化

資産ライフサイクル管理はセキュリティの強化にもつながります。

資産の導入から10年近く経過しているが、問題なく稼働するため使用を続ける、ということは珍しいことではありません。しかし、最新でないシステムやソフトウェア・ハードウェアは、ウイルスやマルウェアに対する対策も更新されていないことが多く、セキュリティ面で脆弱です。

このようなセキュリティホールを作らないためには、資産の適切な入れ替え時期を管理する資産ライフサイクル管理が重要です。

また、資産の廃棄時にも情報漏洩のリスクはあります。

廃棄する資産は、廃棄業者や中古業者へ引き渡すことが多いですが、その際にデータを完全に消去しなければ、第三者の復元による情報漏洩の可能性があります。(例:PCを廃棄する際にデータを消去するだけでなく、ハードディスクを物理的に破壊しておく)

資産ライフサイクル管理では、誰がどの資産をどのように廃棄するのかを定義し、記録することで、資産廃棄時における情報漏洩を防止します。

資産ライフサイクル管理の課題

CMDBの構築が必須

資産ライフサイクル管理を行う際に、資産同士の結びつきを無視することはできません。

例えば、セキュリティリスクを回避するために、ソフトウェアの更新をしたら、使用中の端末に対応しなくなったというようなことが起こっては、業務を一時的に中断せざるを得なくなります。

こうしたソフトウェアとハードウェアの関係はもちろん、ネットワークシステムなど、多くのIT資産は複数の資産が連携することで機能するものです。

IT資産を導入・更新・廃棄する際は、それによっておこる他の資産や業務への影響を考慮する必要があるのです。

そのためには、資産の情報と資産間の依存関係を正確に管理するためのデータベースとして、CMDB(構成管理データベース)の構築が必須です。

資産ライフサイクル管理の一環としてCMDBを構築する場合、資産の購入時期や解約形態、使用状況、減価償却率など、管理するべきデータは膨大な量になります。

この膨大なデータを管理しCMDBを構築するには、IT資産管理や構成管理機能を備えたITSMS(ITサービスマネジメントシステム)のサポートが必要です。

調達~廃棄まで資産の状況を管理できるサービスデスクツールFreshservice

FreshserviceはIT資産管理、調達管理、構成管理 契約管理 、サプライヤ管理 など、資産ライフサイクル管理を行うために必要なあらゆる機能を備えたITIL準拠のITSMSです。

資産の自動検出でCMDBの構築を容易に

Freshserviceでは、ディスカバリ機能が組織内すべての資産をスキャンすることで、組織内のあらゆる資産の種類、バージョン、更新履歴、関連する資産の状況を自動で取得し、資産情報を定期的に更新。

シンプルなUIのため、最小限のトレーニングでCMDBを構築・運用でき、組織内のIT資産の関係を詳細に可視化します。

構成管理データベース

全ての資産ライフサイクルを画面1つでトラッキング

Freshserviceなら、調達・保守・減価償却・廃棄など、あらゆる段階での資産ステータスを一目で確認できます。

アクティビティログでIT資産に関する全イベントを自動的に記録することができるため、契約更新や失効が近づいた場合や、ソフトウェアのインストール数が購入したライセンス数を超えた場合には、担当者に自動で通知を送信し、ライセンスの不正利用を防止します。

資産ライフサイクル管理システム

サービスデスクで資産の減価償却を監視

Freshserviceは、一定期間における資産の減価償却額を自動で計算します。

定率法、定額法、級数法の3種の計算方法に対応しており、資産に合わせて適切な算出方法を選択できます。

減価償却